研究員の日記

見分けられる?!昔の銭

2023年7月28日の日記 目次謙一 専門研究員

テーマ研究「中世山陰の戦争と地域社会」では、戦国大名尼子氏や毛利氏の城下町・富田(とだ)のようすを明らかにするため、富田川河床遺跡の資料を整理しています。

埋C中庭の植栽

場所は島根県埋蔵文化財調査センター。中庭にある木陰と池が涼しそうですね。

調査風景

ビニール袋に入った資料を1点ずつ取り出し、観察しています。

銭貨上下計2点

調べているのは16世紀後半ごろのお金。当時の日本列島では中国大陸から輸入した銅製の丸いお金を使っていましたが、石見銀山の開発などにより経済規模が拡大したために流通するお金が足りなくなったと考えられています。

遺跡から見つかった品質の劣る複製品(コピーしたお金)は、流通量を増やして使うために複製されたのでしょうか。上下のどちらが複製品か見分けられますか?

机上のようす

整理中のお金は約400点。遺跡全体では1,400点以上あります。

(先の画像の左が複製品です。複製のため文字も含めた全体が縮んでいます。)

中庭の蓮の花

お金は城下町での経済活動を知る手がかりの一つ。整理が進むほかの資料とともに掲載する報告書で、みなさんにご覧いただけます。来年春の刊行をご期待ください。