研究員の日記

獅子舞を見てきました。

2023年10月21日の日記 石山祥子 専門研究員

爽やかな秋晴れの一日となった10月21日、多伎藝(たきき)神社(出雲市多伎町)の例大祭を見学してきました。

この日の第一の目的は獅子舞を拝見することでした。獅子舞自体は県内各地で舞われていますが、こちらの獅子は島根ではあまり見られない形態をしています。

多伎藝神社境内で奉納される獅子舞

どのあたりが「珍しい」か、上の画像からおわかりいただけるでしょうか。向かって右側に獅子の頭があり、そこから青い胴幕がずーっと伸びています。この画像ではわかりにくいですが、胴幕の中には獅子頭を持つ人を含めて8人が入っています。

出雲市では、獅子の中に3人入る形態(三人立ち)が一般的ですが、こちらの獅子はその倍以上の人が入っていることになります。こうした獅子は石川から富山県にかけての北陸地方や山形県、長野県、山口県など島根県以外の各地で見られ、足が多いところから「百足(むかで)獅子」と呼ぶこともあります。

なぜ、県内でこの多伎藝神社だけにこのような形態の獅子が伝わっているか、その理由はよくわかっていません。獅子の形態に限らず、出雲のほかの獅子舞では見られない所作なども確認されたので、今後調べていきたいと思います。 なお、この日のお祭りは平日でしたが境内には多くの方が集まり、獅子舞以外にも田植え囃子や神楽、花馬(はなんば)も奉納されて、たいへん賑やかな雰囲気に包まれていました。

田植え囃子の奉納
町内を練り歩いた花馬。手前の小さな花馬には今年話題になったものが人形として飾られています。何かわかりますか?