研究員の日記

大盛況!古代出雲文化シンポジウム

2023年11月10日の日記 橋本 剛 主任研究員

 去る11月4日(土)、東京・有楽町朝日ホールにて、「古代出雲文化シンポジウム」を開催しました。このシンポジウムは毎年東京で開催してきましたが、コロナ禍のため2020年は中止、2021年・2022年はオンラインという形をとりました。よって対面での開催は2019年以来、実に4年ぶりです。待ちに待ったシンポジウムということもあってか、定員を大幅に超える申し込みがあり、当日も席が足りなくなるのではと心配になるほどの盛況ぶりでした!

会場の様子

 今年のテーマは『出雲国風土記』。以前このブログでも紹介したように(https://shimane-kodaibunka.jp/1884/)、今年の3月に風土記の校訂・注釈本が完成しましたが、その成果の発表の場ともなりました。

プログラム資料集

 まずは東京大学名誉教授の佐藤信先生による基調講演です。佐藤先生は、古代において出雲が特別な存在だったこと、古代国家と地方の歴史的関係を紐解くうえで『出雲国風土記』が重要であることなどを、独特の軽妙な語り口で解説されました。

佐藤信先生

 つづいて、明治大学准教授の伊藤剣先生、千葉大学教授の兼岡理恵先生による講演です。伊藤先生は、編纂者である国造出雲臣広島が風土記に込めた思いを、兼岡先生は『常陸国風土記』と比較した上での『出雲国風土記』の特徴を、それぞれわかりやすく説明されました。

伊藤剣先生
兼岡理恵先生

 最後は当センターの平石充主席研究員も加わってのパネルディスカッション。それぞれの先生が独自の切り口から風土記を語り、大いに盛り上がりました。

平石充主席研究員
パネルディスカッション

 ちなみに今回初めての試みとして、先生が遺跡の現地解説をする動画を作成し、講演の中で放映しました。こちらも大変好評で、アンケートでは「映像を見て島根に行ってみたくなった」という嬉しい感想をたくさんいただきました。

 計3時間半にも及ぶ白熱のシンポジウムでしたが、実はその裏でちょっとしたハプニングもあり、私はスタッフに指示を出したりお客様の対応をしたりと“てんやわんや”でした。なんとか大きな混乱もなく終えることができ、ご来場いただいたお客様には満足いただけたのではないかと思っています。

 今回のシンポジウムの模様は、年明け以降に古代文化センターのYouTubeチャンネルで公開予定です。その際はこのホームページでもお知らせいたしますので、楽しみにお待ちください♪