「しまねの古代文化連続講座」オンライン配信を開始しました!
2025年9月1日の日記 吉永壮志 専門研究員
今年、令和7年(2025)は、松江城天守が国宝に指定されて10周年を迎えます。堀尾氏が関ケ原の戦いにおける行賞で慶長5年(1600)出雲・隠岐24万石の領主として出雲に入り、同12年(1607)に築城を開始して同16年(1611)にはほぼ完成したとされることから、松江城は400年以上の歴史を有するといえます。しかも、全国に12しか現存していない天守の1つで、四重五階の雄大さを誇っており、多くの方が今も訪れています。
ちなみに、松江城を築城した堀尾氏は当初、戦国大名の尼子氏がかつて居城としていた富田城に入ったのですが、地勢や交通の便を考慮して富田城から移転したため、松江城には富田城の部材も多く用いられていると推定されています。その富田城は標高約190メートルの月山山頂に本丸を構えた、中国地方屈指の山城で、この6月にNHKの歴史情報番組「歴史探偵」で取り上げられたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。
このように、今年は島根県内の「城」で盛り上がっていますが、それに便乗?(昨年度から計画していたため、実際はたまたまです)して、「しまねの山城」をテーマとした連続講座を開催することにしました。
ただし、「城」といっても、富田城や松江城のある出雲地域ではなく、島根県西部の石見地域の「山城」で、下記のとおり2回の連続講座です。
【第1講】
中司 健一氏(益田市教育委員会文化振興課・歴史文化研究センター主査)
「中世石見の山城(1) 石西の領主の興亡と山城」
【第2講】
目次 謙一氏(島根県立古代出雲歴史博物館学芸情報課長)
「中世石見の山城(2) 石見国東部の山城と銀山」
「万葉集・柿本人麻呂」をテーマとした令和5年度の講座、「しまねの古墳」をテーマとした令和6年度の講座とは違い、今回は完全オンライン配信で、6月11日に島根県立古代出雲歴史博物館において第1講・第2講ともに収録するというハードスケジュールでしたが、重厚な内容を立て板に水のごとく話す二人の講師のお陰もあり、一発撮りで時間内に撮影を終えることができました。その内容については、実際のオンライン配信をご覧いただければと思いますが、お二人の語りかけるような優しい口調からはあたかもその場にいるような臨場感が味わえるのではないでしょうか。自分が講師として話す立場であれば、カメラを前に緊張してうまく話せないのは間違いないですが、お二人の講演は長年の研究に裏打ちされた余裕さえも感じられました。
「しまねの山城」について知りたい方、石見の中世について知りたい方、もちろん島根の歴史・文化に興味のある方は、以下のアドレスから令和7年度「しまねの古代文化連続講座」のオンライン配信を視聴できますので、是非「受講」ください。


そして、今回の「しまねの古代文化連続講座」のオンライン配信を通じ、「しまねの山城」に興味をもってもらえたら、実際に「しまねの山城」を訪れてみてはいかがでしょうか。そのような方におススメのツアー、東京羽田空港発、萩・石見空港着のしまねの古代文化探訪ツアー「石見の山城編」「石見・出雲の山城編」がそれぞれ11月5日~7日・12月9日~11日に2泊3日で行われます。ガイドは、先に紹介したNHKの「歴史探偵」で富田城の解説をされていた高屋茂男氏(八雲立つ風土記の丘所長)ですので、「しまねの山城」に登りながら、魅力あふれる解説を聞けるのではないかと思います。なお、ツアーはクラブツーリズムHPから申込ができます(昨年度好評だった「石見・出雲の古墳編」も10月21日~23日で開催します)ので、奮ってご参加ください。


