研究員の日記

隠岐の島ふらふら記

2022年5月10日の日記  久保田一郎 専門研究員

「古代隠岐」のテーマ研究でしばしば話題になる古墳が気になっていました。3月末、隠岐の島町教育委員会の永海さんのご案内で、主だった古墳を見て回ることができました。

◎重栖川流域編

島後を中心から北へ流れる重栖川は島後第二の大河川。流域は古墳時代から開発が進み、西郷町につぐ古墳の集中地帯となっています。その最大のものが水若酢神社1号墳(石室のみ残存)と2号墳です。

水若酢神社2号墳

巨大な本殿と並んだ水若酢神社2号墳は迫力大。

神社はもと北側の谷にあって、水害を被ったため現地に引っ越したそうです(永海さん・談)。

◎甲ノ原編

写真は、玉若酢命神社の門前から、東の甲ノ原を見上げたところです。

この一帯では玉若酢命神社の前が一番低く、水田地帯になっています。遠くに写っている 高台が甲ノ原で、千年以上前には古墳が多く築かれた所です。

玉若酢命神社の門前から、東の甲ノ原を見上げる
二ノ宮神社古墳
甲ノ原2号墳

二ノ宮神社古墳と甲ノ原2号墳。甲ノ原2号墳は隠岐地方最古級の前方後円墳です。

周囲はすっかり開発され、住宅地の真ん中に奇跡のように残されています。

玉若酢命神社8号墳

玉若酢神社裏山の玉若酢命神社8号墳。甲ノ原2号墳に次ぐ古い前方後円墳と考えられています。

玉若酢古墳群の一基

神社の裏山は古墳のメッカで、杭やロープを廻らされているためわかりやすいです。

◎夕方の散歩編  東町、東郷

夕方には、町の東側へも足を向けてみました。

積み出しを待つ木材(小田岸壁付近)

勝手に「海に囲まれた」イメージを脳内で描いていた隠岐の島ですが、良材の産地という一面を見ました。

◎今晩のおかず編 西郷の食卓を支える鳥取産魚

八尾平野

八尾平野の広さを実感しています。病院や商店が集中する繁華街です。

それはともかく、フェリーが出る前にスーパーの鮮魚コーナーに買い出しに行きました。

この日並んでいた魚のラインアップ(輸入魚除く)に目を見張りました。

1 種類が豊富である。

2 活きがいい。

3 そして鳥取県産が多い!煩をいとわず、そのとき産地がわかったものを挙げます。

 ・しじみ(鳥取) ・れんこ鯛(鳥取) ・中アジ(鳥取) ・沖きす(鳥取)

 ・うるめいわし(鳥取) ・べらかれい(鳥取) ・ハタハタ(鳥取) ホタルイカ(鳥取)

 ・さば(高知) ・まいわし(石川)

 ・マイカ(近海) ・クロアイ(近海) ・いさき(近海)

ほとんどが鳥取県産です。

じつは弥生時代、古墳時代の考古遺物の研究からも、鳥取県(とくに西部)との交流がさかんだったことがわかっています。この傾向、現代の経済交流圏にまで続いているのだと実感しました。

※筆者の買い物  クロアイ1P364円。煮物OK。味は淡泊。骨の処理がやや面倒。