第197話 古代出雲歴史博物館 休館中の「学校連携」の取り組み
深田 浩 島根県立古代出雲歴史博物館 調整監
(2026年1月27日投稿)
平成19(2007)年に開館した古代出雲歴史博物館は、来年3月で19年目を迎えますが、経年とともに展示施設等の劣化が見られるようになり、また建築基準法の改正で一部の天井の耐震改修が必要となりました。そのため、当館は昨年の4月から今年(令和8年)9月末までの予定で長期休館し、改修工事等を行っています。これまでに天井の改修工事はほぼ完了し、これから展示室のリニューアル工事を進めるところです。
さて、当館の使命の一つに「歴史と文化を生かした人づくり、地域づくりへの貢献」があります。その推進のために当館では開館当初より「学校教育との連携」を事業の大きな柱の一つとして掲げ、これまで遠足や校外活動での学校体験の受入や、当館の学芸員が学校を訪問して行う出前授業を実施してきました。休館中のため展示室の見学はできませんが、現在も利用可能な体験学習棟や講義室を使った体験学習やミニ講座を行う一方、出前授業をより積極的に展開して、ふるさと教育の場をしっかりと提供できるよう、スタッフ一同奮闘中です。
このうち、出前授業については、平成26年度の11校をピークに減少傾向となり、ここ数年は年間1~2校程度の実施に留まっていました。これを受け、昨年度に県下の小・中学校の教員にアンケートや聞き取り調査を実施したところ、出前授業が困難な理由として、授業のカリキュラムや学校行事との調整が困難、との意見が寄せられるなど、今の学校現場の状況やニーズに当館の学習プログラムが十分に応えられていないことが一因であることもわかりました。
そこで、学校現場の状況も踏まえ、休館中ならではの取り組みとして、勾玉づくりや藍染め体験などの体験学習にかかる体験料(材料代)を無料としました。また出前授業も名称を「れきはくキャラバン」に改称したほか、プログラム全体を紹介・周知するチラシも大幅に改訂して県下の学校に配付しました。チラシでは、当館での体験学習の具体的なモデルコースや、教員への授業サポートや研修等への支援についても記載しています。また、アンケートでは、近年の学校教員は非常に多忙で、学習指導要領で定められていない授業・体験学習の実施は難しい、との声もあったことから、「奈良の大仏パネルづくり」など、学習指導要領に沿ったプログラムでの授業支援を行うことなども紹介しています。

これらの取り組みにより、今年度の「れきはくキャラバン」の依頼数は既に10校を超え、昨年度を大きく上回るなど、連携強化が進んでいます。今後も学校関係者の方への周知や学習内容の改善を行いながら、より利用しやすいプログラムにしていきたいと思います。是非ご利用ください。
